パーキンソン病について
お久しぶりです。神経内科 O です。
今日は、パーキンソン病について少し書きたいと思います。
パーキンソン病は、脳の中心部分にある 「黒質」 と呼ばれる部分が壊れることによって 「ドーパミン」 という物質をうまく作れなくなる病気です。ドーパミンは、体を動かすために必要な物質であるために、手足のふるえ、筋肉のこわばり、歩行障害、言語障害、動作の緩慢などを引き起こします。日本に約15 万人の患者さんがいます。
私は、パーキンソン病の病態を、よく充電式電池で動く機械に例えて、患者さんに説明するようにしています。ちょうど黒質が電池、ドーパミンが電池から流れる電気ということになります。黒質という電池は、睡眠や休息で、ドーパミンという電気を蓄えることができます。しかし、パーキンソン病の患者さんでは、電池への充電がうまくいかないために、常に、機械の動きがうまくいかない状態となります。その充電を助けてくれるものが、パーキンソン病の治療薬です。
パーキンソン病治療薬にはさまざまな種類のものがあり、私たち神経内科医が、慎重に内服調整を行ないます。いったん、診断がつけば、さまざまな問題はありますが、内服薬を服用することにより、その症状を改善することができます。
しかしながら、パーキンソン病の患者さんが、神経内科をご存じないために、なかなか診断がつかないということもありますので、ふるえ、動作の遅さ、歩きにくさ、体のこわばり、しゃべりづらさ、よく転倒するといった症状がひとつでもあれば、私たち、神経内科で一度診察を受けてみてはいかがでしょうか。
代表的な神経内科の病気のひとつ-脳卒中--てんかん-
神経内科 O です。今回、久々の更新です。
2013年4月27日の読売新聞の記事を紹介しています。
今日は、脳卒中とてんかんについてです。
脳卒中
日本人の5人に1人は一生のうちに1度は脳卒中を発症しますが、脳卒中の4分の3以上は内科的治療が必要な脳梗塞です。
脳梗塞や脳梗塞の前兆 (一過性脳虚血発作) が疑われる発作が起こったら、直ちに神経内科や救急を受診してください。
最近では、発症後、ある一定時間内であれば使用できる薬剤も開発されており、脳梗塞を疑った場合、早期受診が重要です。
当院では、急性期の脳梗塞が疑われる場合には、近くの総合病院を受診していただくことが多いのですが、その後のリハビリや脳卒中の再発予防診療を行なっていますので、お気軽にご相談ください。
てんかん
てんかんはもっとも頻度の多い神経の病気で、日本には子どもから高齢者まで約100万人の患者さんがいます。
てんかんの症状は、全身がけいれんして意識障害を引き起こす 「けいれん発作」 だけでなくさまざまで、患者さんの不安やストレスも大きく、神経内科ではここのケアも十分に行ないます。
最近では、65歳以上で発症する 「高齢者てんかん」 が急増しており、患者さんの数は20万人以上と言われています。
原因は、脳卒中や認知症、脳腫瘍などが多く、脳波で異常を捕らえることが少ないため、診断が難しいものもあります。
また最近では、いくつかの発作に対して効果を発揮する有効な薬剤も開発されており、患者さんの発作や症状に合わせて適切な治療治療薬を選べば、70-80%は症状がなくなり、生活の質を損なうことなく、普通の生活を送ることが可能です。
今日は、脳卒中とてんかんについて紹介しましたが少しでもお分かりいただけましたでしょうか。
みなさん、熱中症には十分注意してこの暑い夏をお過ごしください。
代表的な神経内科の病気のひとつ-頭痛--認知症-
神経内科 O です。
2013年4月27日の読売新聞に「神経内科をご存知ですか?」という題名の広告が掲載されました。
今日の話題は、前回の続きです。
頭痛と認知症についての記事を紹介するとともに、少し、病気について書きたいと思います。
頭痛
「たかが頭痛」と考える方も多いのですが、頭痛は時に、自分、社会、家族にまでダメージを与え、社会的損失が大きい病気です。
神経内科で適切に対応すれば、生活の質は保たれます。「頭痛さえなければ、私には違った生活があるのでないか」と思われたら、当科を受診してみてください。
頻度の多い頭痛の原因疾患として、緊張型頭痛、偏頭痛、群発頭痛が挙げられます。
認知症
かつては治療法がないと言われた認知症も、画像、診断マーカーなどにより、早期に発見でき、治療薬も開発されました。高齢の患者さんは様々な病気を抱えていることが多く、神経内科では、トータルに全身を管理し、患者さんとのコミュニケーションを大切にしています。
治療薬を上手に使うことで、少しでも進行を遅らせることができるようになって来ました。今後、ますますの発展が期待される疾患の1つです。
さて今日は、頭痛と認知症という2つの疾患を神経内科で診ているということを、ごくごく簡単に紹介いたしましたがいかがでしたか。
次回は、脳卒中とてんかんについて少し述べようかと思います。